繊細な赤
薩州 赤兎馬
淡麗かつ
芳醇な味わい。
特殊な濾過方法によって、淡麗さの中に芳醇な味わいも潜んでいる。
割り水に霊峰「冠岳」の伏流水を使い、やさしくまろやかな味わい。
商品スペック
- 種別
- 本格芋焼酎
- アルコール分
- 25度
- 内容量
- 720ml / 1800ml
- 希望小売価格
- 1,738円(税込)/ 3,300円(税込)
- 原材料名
- さつまいも(鹿児島県産)、米麹(国産米)
- 麹
- 白麹
- 蒸留方法
- 常圧蒸留
味わいストーリー
〜私の想い〜

コラムニスト
新井見枝香
(あらい みえか)
今夜、我が家で飲む酒を心に決め、仕事帰りにスーパーへ駆け込む。
初めて飲む焼酎には何が合うだろう。ヒントは産地の「鹿児島」、原材料の「芋」、勇ましい「赤兎馬」の語感、力強い赤と黒のラベル。
しかし、閉店間際のスーパーに選択肢は少なく、カゴに入れたのは、真いわしだった。鹿児島名物「きびなごの刺身」のキラキラ光る皮と、赤黒い臓物からの連想だ。バッサバッサと頭を切り落とし、腑を引き摺り出すと、何やら歴史小説に出てくる武将にでもなった気分になる。
ぶつ切りにして甘辛く煮付ける間、猛る馬のような心をなだめて、ロックアイスを詰めたグラスに酒を注いだ。
しかしここで武将は、戦意を喪失する。グラスから立ち上る香りに、もう血と泥の名残はない。死屍累々だった大地に草木が戻り、風のように馬が走り抜ける。それは、極上のマスカットレーズンを思わせる清らかさ。もう闘いは終わったのだ。
真いわしの生姜煮は締めの茶漬けにするとして、冷蔵庫からフレッシュチーズを取り出す。これほどフルーティーな焼酎は、ついぞお目にかかったことがない。舌に乗せると、無添加のドライフルーツのように、甘味より凝縮した旨味を感じる。
だからレーズンをバターサンドするように、乳成分が欲しくなるのだ。
甲冑を脱ぎ捨て、バスローブでも羽織って、しばしの平穏を楽しもう。
窓の向こうでは、赤毛の馬が牧草を食んでいる。